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絹について
絹はあらゆる繊維の中で一番美しいと評される天然繊維です。この繊維に魅せられた人々は数千年も前からシルクロードと呼ばれる道を作っていきました。これは中国からヨーロッパへ絹が運ばれる道のことですが、荒い麻や羊毛しか知らなかったヨーロッパ人にとって、輝くばかりに色鮮やかな絹織物は、羨望の的になったようです。古代ローマでは同じ目方の金と取引されたと言われます。 ■絹の良さの特徴は、原料にされる繭糸(まゆいと)にあります。 ●繭糸は、天然繊維の中でも最も長い繊維を持っているため、多様な織り方が可能です。 ●絹は、繊維その物が、熱を伝えにくい上に、精錬した糸や織物には空気がたくさん含まれています。そのため肌に触れると温かみを感じるのです。 ●絹の美しい光沢の秘密は・・・繭糸の構造にあります。 ■絹糸のの原料は、蚕の繭ですが、繭から糸をとる方法によりその呼び方は、異なります。 ・生糸(きいと)・・・繰糸機と呼ばれる機械や人の手で繭から直接糸をひいてを作った糸。 ■蚕の種類は、大別して二種類 「家蚕(かさん)」と「野蚕(やさん)」がある。 ・家蚕は、室内の飼育に適するように改良された蚕で、桑の葉しか食べません。この繭で作った絹糸が一般的な絹糸です。 *豆知識・・・二頭の蚕が、一つの繭を作った物を「玉繭」といい、2〜3%の割合で自然発生します。この繭糸は、二本の糸が絡むので、普通の糸より丈夫な糸ができるため、牛首紬や白山紬のような頑丈な紬織物の原料になっています。 絹は、殷の時代の古代の中国人が考えた物だと言われますが、4千年も前から養蚕がされていて、綾織りなど高度な絹織物が作られていたとは驚きです。昔の人は、よく蚕の吐き出す細い糸を集めて織物にすることを考えたものですね。 |
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