着物寸法の測り方
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着物寸法の測り方について

オーダーコートをお作りするためには、着物寸法が必要です。合わせる着物の寸法を教えてください。この際、お店まかせにしないで、ご自分で測ってみませんか。測り方を覚えてしまえば、意外と簡単ですよ。
でも、着物寸法を測るのは難しいと思っていませんか?
基本的なことを理解すれば、けっして難しいことではありません。
和裁のプロが、お教えします。あなたも着物通の仲間入りしてみませんか。ぜひ、ご自分でトライしてみてください。
一度自分のための正確な寸法の測り方を知っておけば、今後のために色々活用できますので、ぜひ頑張ってみてください。そして、もし、着物寸法の測り方も分からないお店の店員さんがいたら教えてあげてください。(笑)

ポイント1) 尺貫法の知識

尺や寸のような日頃なじみのない単位は一見わかりにくいものですが、一度理解してしまえば簡単です。まずは、感覚的に1尺は、約38cmと覚えてください。

着物寸法は、戦後一時期、尺貫法の廃止のために、cmで仕立てられていた時期もありましたが、現在は、洋裁業者でなければ、ほとんど尺差しを使って戦前の尺を基準に仕立てをしています。日本人であれば、ぜひ、日本基準の尺貫法を覚えて頂きたいと思います。

尺には、現在使用されているもので、1)鯨尺と2)曲尺(かねじゃく)の2種類があります。和裁では、ほとんど鯨尺を使用しておりますが、東北地方のように曲尺を使用している所もあります。

鯨尺の寸法> *曲尺は、和裁ではあまり一般的ではないので、鯨尺の説明をします。

     身丈=身長=152cm×2.64=401=4尺0寸1分

   難しく考えないでください!

     簡単に cmの寸法 × 2.64 が鯨尺です。

     この 2.64 という数字を覚えていれば簡単です。

     電卓で計算すればいいのです。(笑)

  ちなみに 袖丈   1尺3寸 ≒49cm×2.64=129.36

        袖付  5寸5分 ≒21cm×2.64=55.44

        袖口     6寸 ≒23cm×2.64=60.72

    かけ算して電卓に出てきた数字を尺に置き換えてください。

*かけ算をすると小数点以下の端数がでてきますが、和裁の場合布を扱っておりますので、置き方によってもそのくらいの誤差は出ます。一分(3mm)以下の誤差は、あまり気にしなくても良い誤差です。

誤解のないように申し上げますが、仕立る時に入れるヘラ寸法の裏表の誤差は、非常に精密な所があります。ですが、仕上がってからの寸法は、置き方や測り方、生地のつまりによって誤差があると言うことです。着用の時に問題になるのは5mm以上の誤差ですので、ご心配なくお願いします。


ポイント2) 必ず必要な寸法  

 コートを作るために必要な寸法は?

 着物の 裄丈・袖巾・袖丈・袖付・袖口・前巾・後巾・*繰越 
            
       上記は、必ず必要です。
          
(太字は特に必要。身巾は、ヒップ寸法でも割り出せます。)

 着物の大体の寸法名称を確認してください。(各部名称へ

 もう一つは コートの身丈 お好みの肩からの寸法を教えてください。お客様のご希望によりますが、生地の長さによって制限がありますので、ご相談下さい。

 こんなに自分で測らないと行けないの・・と思っていませんか?

   大丈夫ですよ(笑) 安心してください。
    次のステップに進んでください


ポイント3) 着物寸法の測り方 

出来ている着物を測るのは、どこを正確に測るのこんな疑問が聞こえてきますが頑張ってください。
            きもの各部名称図も参考にしてください

袖丈、袖口、袖付け

 先ずは、袖丈を測ってみましょう。

左の写真のように袖を平らな台や床などに置いて、無理引っ張らないで自然な状態にして測ります。これは、他の寸法を測る時も同じです。
写真の物さしは、2尺ざしという鯨尺ですが、メジャーや1メートルのものさしでもかまいません。
袖口側やふり側が少し縮んでいるものがありますが、一番長い所を測ってください。

同じ要領で、袖口や袖付けもこの時測ってしまいましょう。

袖巾

通常、袖巾は、真っすぐ袖山から振りまで同じ巾ですが、中には振りの方の巾が広く作ってある物もありますので、写真のように山の部分と振りの部分を測ってみてください。
振りの方が広い時は、その寸法を教えてください。
コートの振りから、着物の袖が出ないようにするためです。


裄丈

 この寸法が、測り方が一番難しい部分です

何故かと言うと、衿が付いていない時は、平らに置けるのですが、衿が付くと仕立ての悪い物は、衿回りがつれて縮んでいたりしてなかなか下の写真のように平らに置けないからです。
また、本来の和裁は、衿肩明きの部分を真っ直ぐ直線に切ってあります。ですが、最近の仕立は、洋裁のように最初から衿肩明きの部分を丸くカットして同じ縫い代で衿を付けている場合もあり、繰越という概念が違っている物もあります。

繰越寸法と付け込みという縫い代の寸法は、直線断ちでは、ハッキリしますが曲線の中では、簡単に分けられないのが原因です。こういった仕立ては、肩山線からの延長線からえり付けの背中心までの長さを繰越と言ってしまっているようです。
要するに、このような仕立ての場合は、
肩山からの身丈寸法 − 背からの身丈寸法 =繰越 と言っていますので区別して注意が必要です。

普通の着物は、上の写真のように、衿をキチンと畳み込んで、平らに置くことが裄寸法や繰越を測るために一番重要です。

肝心のポイント!! 袖山からつながる肩山の布目を出来るだけ正確に通して衿山を決めること

それさえできれば、簡単です。あとは、測る位置を覚えてください。

下の写真を見てください。ちょっといい加減な感じですよね。でも、衿さえキチンと畳み込んで平らに置ければ、このくらいでもそんなに誤差はありません。この場合、物さしの目盛りは、背縫いからの延長線から袖口のふきを含めない線までを測ります。

繰越

左の写真が繰越寸法の測り方です

この着物は、1寸(3.8cm)の繰越です。
付け込みは、5分(約2cm
)だと思います。

繰越と付け込みの関係がわからないような着物の場合は、とにかく肩山の布目を正確に衿山まで通して繰越と付け込み(縫い代)を足した寸法を出して教えてください。


身巾寸法

裾から5分くらい上を測ってください。指定の身巾は、裾が基準ですが、中には、裾で伸びていたり、詰まっていたりするものがあります。


身丈寸法
写真は、背からの身丈の測り方です。

なるたけ、台や床のような平らな所に引っ張り過ぎずに、自然に置きます。

下の写真のように物さしを使う場合は、まち針などをしるし代わりにして何回かに分けて測るのが良いでしょう。

ここでは、肩からの身丈の測り方は省略しますが、肩からの寸法を測る時も、きものを脇で平らに折って自然な状態で同様に測りましょう。

いかがでしょうか。ちょっと面倒ですか?

以上を参考にぜひ、頑張ってみてください。

着物の通になるには、先ずはご自分の着物寸法を自分で決められることが大事です。少し勉強が必要かも知れませんが、ご不明な点があれば、お答えいたしますので、宜しくお願いします。

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